茨城県牛久沼における、ワカサギ推定資源量(2007年魚)
Japanese smelt estimate quantity of natural resources in the Ushiku swamp, Ibaraki(2007).
 
平成18年度
20060401〜20070331
平成19年度
20070401〜20080331
釣獲量(kg)
不明
531.94(※1)
(20071121-20080120)
漁獲量(kg)
657(※2)
743(※2)
小計(kg)
不明
1274.94
シーズン終了時推定生残量(kg)
20080331現在
不明
1274.94(※3)
シーズン当初推定資源量(kg)
20070901現在
不明
2549.88
シーズン当初推定資源量・補正値(kg)
20070901現在
不明
2999.85(※4)
table.02 茨城県牛久沼における、ワカサギ推定資源量(2007年魚)
【牛久沼に生息するワカサギは、どれほどの量であり、どのように利用されているのか】
【目的】
茨城県牛久沼のワカサギは、自然繁殖していると云われてきた。
一方で、牛久沼漁業協同組合のワカサギ卵放流事業が、永年に亘り続けられており、 漁獲(釣獲)されたワカサギは、自然繁殖によるワカサギか、放流事業によるワカサギかの、 出自が不明確であった。
この疑問へは、最近ひとつの回答が与えられた。
2008年06月13日に特別採捕されたワカサギ未成魚の解析・判定により、 「牛久沼で2008年01月24日+α(より以前)+α(より以前)に産卵され、03月29日+α(より以前)頃ふ化した、 自然繁殖グループのワカサギであることが、明らかになった」()が、その回答である。
従って、牛久沼には双方の出自を持つ魚群が生息していることが確認された。

しかし、「牛久沼に生息するワカサギは、どれほどの量であるか」については、ワカサギが概ね1年魚であることから、 年ごとに資源量の変動が予測されることもあり、確かな資料が見当たらず、 必要とする場面においても、永らく定性的推定の域にとどまっていた。
この疑問へ回答するため、「茨城県牛久沼における、ワカサギ資源量」の定量的考察推定を試みた。

【結果】
●牛久沼におけるワカサギ釣獲量は、2007年11月21日〜2008年01月20日の間で、531.94kgであった(※1)。
その詳細「茨城県牛久沼における、ワカサギ釣獲量(2007年魚)」を表(table.01)に示す。
●平成19年度(20070401〜20080331)の、牛久沼におけるワカサギ漁獲量は、743kgであった(※2)。
●よって、釣獲量と漁獲量の合計は、1274.94kgであった。

Period 
ボート釣り
岸釣り
Total catch(g)
20071121-1130
6004
18012
24016
20071201-1210
15428
46284
61712
20071211-1220
18395
55185
73580
20071221-1231
36490
109470
145960
20080101-0110
31264
93792
125056
20080111-0120
25404
76212
101616
Total
132985
398955
531940
table.01 茨城県牛久沼における、ワカサギ釣獲量(2007年魚)
(注)監視員漁場巡回報告等により、岸釣りはボート釣りの3倍と推定

【考察】
●ワカサギの釣りと漁獲のシーズン終了日を、便宜上2008年03月31日とすれば、再生産用ワカサギ親魚はシーズン終了日以降も 生残していなければならぬから、その生残量を仮にシーズン中の釣獲量と漁獲量の合計と同量、1274.94kgに置く(※3)と、 シーズン当初(20070901現在)のワカサギ資源量は、2549.88kgであったと推定できる。
●さらに、シーズン当初のワカサギ資源量は、釣獲と漁獲以外の要因によっても減少することが明白であるから、 要因ごとに補正係数を与え、シーズン当初のワカサギ資源量を上方修正する。
★カワウの集団(通常30羽〜最大300羽)・アイサ・カイツブリ・カワセミ等鳥類による食害(シーズン当初のワカサギ資源量の5%)
★降雨時の水門からの成魚流失分(シーズン当初のワカサギ資源量の5%)
★自然斃死分(シーズン当初のワカサギ資源量の5%)
ゆえに、2549.88kg÷0.85=2999.85kg
シーズン当初推定資源量・補正値は、2999.85kg(※4)であることが、明らかになった。
重量を尾数に換算すれば、シーズン中のワカサギ1尾平均が4gであったから、749,750尾となる。
これをまとめた「茨城県牛久沼における、ワカサギ推定資源量(2007年魚)」を表(table.02)に示す。
補正係数の見方につき、本稿では下限方向の数値代入を試みており、シーズン当初推定資源量・補正値は、 さらに大きくなる可能性が高いものと考えられる。
他の補正要因の有無及び補正係数の見方は、今後の検討課題のひとつである。

【ワカサギ資源利用実態】
つまるところ、概略3トン・約75万尾のワカサギ
漁師が24.7%、釣り人が17.7%、カワウが05%、下流へ流失が05%、自然斃死が05%、 牛久沼に残る親魚が50%、という資源利用の実態であろう。

【参考文献】
(※1)よしさん(2008):「牛久沼におけるワカサギ増殖の取組み」より「茨城県牛久沼における、ワカサギ釣獲量(2007年魚)」を抜粋.
 2008年02月01日茨城県内水面漁場管理委員会配布資料.
(※2)牛久沼漁業協同組合(2008):「平成20年度(第56回)通常総会議案書」より「漁獲高調査集計表」のワカサギを抜粋.
 2008年06月29日牛久沼漁業協同組合総会配布資料.
(※05)佐藤隆平(1954):「ワカサギの漁業生物学」東京大学農学部水産学科、水産増殖叢書5
(※06)久下敏宏(2006):「群馬県におけるワカサギの増殖に関する研究」.群馬県水産試験場研究報告第12号別冊.1−126pp
【参考事項】
「茨城県内水面漁業調整規則」により01月21日から02月末日及び05月01日から07月20日は、ワカサギ禁漁期間に該当します
牛久沼漁業協同組合ではワカサギ成長調査のため、特別採捕許可を得ています

発表:2008年07月02日(水)牛久沼漁業協同組合顧問よしさん
転載許可:牛久沼漁業協同組合ホームページに本稿転載を許可します。よしさん。
牛久沼漁業協同組合

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